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保護者から薬をのませてほしいと言われました。教員が与えてよいでしょうか?

保護者から薬をのませてほしいと言われました。教員が与えてよいでしょうか?

通常、抗てんかん薬は本人や保護者の責任で服薬します。主治医は、学校などでの服薬が必要にならないように、朝夕の2回、あるいは1日1回の服薬になるように処方を計画します。昼間の服薬が必要で、保護者から依頼がある場合は、以下のような対応をしてください。

  1. 自分で服薬が可能だが、自己管理が難しい場合
    教員が声掛けし、教員のそばで服薬させる場合があります。
  2. 自分での服薬ができない場合(知的障害や身体障害が重度の場合など)
    主治医から、服薬の内容と学校での服薬が必要な内容を記載した依頼状(参考:与薬・坐剤の挿入に関する同意書・依頼書)の提出を求め、服薬を受ける場合があります。養護教諭や複数の教員で服薬を確認してください。
  3. 発作が起こった場合の坐薬の挿入
    どのような場合に坐薬を挿入するかの医師の指示書のもとに実施します。これは医療的ケアではなく、救急搬送を前提とした緊急対応になります。保護者にも、そのことの了解をもらうことが必要です。
    また、坐薬を入れた後に呼吸の抑制が起こる場合があります。坐薬挿入後30分くらいの間は、呼吸の状態を確認し、救急隊が到着したら、坐薬の挿入の旨を必ず伝えてください。また、本人が病院以外での抗けいれん薬の坐薬挿入の経験がない場合は、特に注意してください。

対応のポイント

(状況に応じて参考にしてください)

  • 教職員が与薬を行う場合、保護者が「同意書・依頼書」(参考:与薬・坐剤の挿入に関する同意書・依頼書)を学校へ提出したうえで行う。
  • 通常通りにのめなかった場合(のみ忘れ、持参忘れ、こぼした など)の対応は、医師の指示に従い、どのようにするかを保護者と教員で決めておく。常時、1回分の薬を保健室で預かっておくのもよい。
  • のんだ後の薬の袋やシートは、捨てずに連絡ノートに貼るなどして、保護者に返すと服薬済みの報告ができる。子どもが自分で薬を管理している場合も、担任や養護教諭に空の袋やシートを渡させ、きちんと服薬できたか確認するとよい。

同意書

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同意書サンプル(PDF)

依頼書

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依頼書サンプル(PDF)

参考:

坐薬の挿入に関する厚生労働省の通知注1)、日本てんかん学会の提言注2)

注1) 厚生労働省医政局長通知(医政発第0726005号. 平成17年7月26日より抜粋)
医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)

  1. 5. 患者の状態が以下の3条件を満たしていることを医師、歯科医師又は看護職員が確認し、これらの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族に伝えている場合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助すること。具体的には、皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く。)、皮膚への湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助すること。
  1. ① 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること
  2. ② 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと
  3. ③ 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと

注2) 日本てんかん学会法的問題検討委員会: 学校や施設での非医療者による抗てんかん薬等の与薬と坐剤挿入について. (てんかん研究; 20: 201-204, 2002.より抜粋)

日本てんかん学会法的問題検討委員会では、次の条件を備えている場合に限り、教諭あるいは施設職員が与薬あるいは坐剤挿入を行うことは医学的に妥当であることを提言する。

  • 家族あるいは患者が希望しかつ承諾していること。
  • 与薬や坐剤挿入が家庭でも行われている日常的な行為であり、安全であることが確認されていること。
  • 医師により、与薬・坐剤挿入の時期、頻度、副作用などについて、明確な指示と説明があること。
  • 守秘義務が守られること。