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監修者について

総監修

山内俊雄先生

山内 やまうち 俊雄 としお

埼玉医科大学 名誉学長

1963年北海道大学医学部卒業。1986年に埼玉医科大学に赴任。長年にわたり、てんかんの診療・研究に従事。1977年から2年間、アメリカ国立衛生研究所(NIH)においててんかんの研究に携わり、発作の起こる機序の研究を行う。日本てんかん学会理事として、てんかん学の進歩発展に尽力。同時に、日本てんかん協会の理事・副会長・監事などを歴任し、当事者や家族の視点からてんかん医療の推進に努めている。2011年より現職。

メッセージ

てんかんは、人類の始まりとともに存在する病気として、聖書にもてんかん発作の記述がみられます。しかし、中世期までは、多くの偏見や誤解にさらされてきました。その理由として、てんかん発作の起こる原因がわからないことや、治療法がないことが大きな理由でした。また、突然、日常性が失われるという、症状の激越性や意外性も人々に畏怖の念を抱かせる理由でした。しかし、神経科学の進歩によって、てんかん発作の起こる仕組みが明らかになり、発作を抑制する新しい薬も開発され、てんかんは治癒可能な病気となりました。
これからは、てんかんという病気を正しく理解し、積極的にてんかんを治療し、てんかんと付き合っていく方法を見つけ出すことが大切です。

好きなことば

  • 「心に寄り添って生きる」

他人の心、自分の心に寄り添って生きることによって、私たちはよい人間関係を作り上げることができ、幸せに暮らせると思っています。

監修

大澤真木子先生

大澤 おおさわ 真木子 まきこ

東京女子医科大学 名誉教授

東京女子医科大学および同大学院卒業。小児科医。専門は「てんかん」をはじめとする小児の神経の病気、遺伝病、先天異常。東京女子医科大学では長く教育も担当し、医学生の全人的視点に基づく教育や、離職した女性医師の再教育にも携わる。同大学小児科主任教授、医学部長、副学長を務めた。日本小児神経学会 理事長や厚生労働省、文部科学省の委員なども歴任。2013年より現職。

メッセージ

人生を根底から変える人との「出逢い」があります。医師は患者さんの人生に大きな影響を与えうる存在であり、逆もまた真実です。医師は患者さんから大きな影響を与えられ、患者さんに育てていただく存在であると実感しています。同じことは、学校の先生方と子どもたちの関係にもいえるのではないでしょうか。私は教師としての経験において、医学生たちに学問としての医学を教えるだけでなく、患者さんを一人の人としてトータルにみるための「人間力」を育成することにも力を注いでまいりました。てんかんのある子どもとの出逢いを大切に。その子の病気だけではなく、一人の子どもとしてみていただくこと、子どもから教えられることも多くあることと思います。共に手を携えて、子どもの健やかで幸せな成長を支えていきましょう。

好きなことば

  • 「出逢い」
  • 「体験してみて初めて身につくんだなあ」 相田みつを
  • 「医師は患者さんに育てていただく」

監修

永井利三郎先生

永井 ながい 利三郎 としさぶろう

桃山学院教育大学教育学部 教授
大阪大学 名誉教授

大阪大学医学部医学科卒業。大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科教授を兼任。小児科専門医、小児神経専門医、日本てんかん学会認定医。支援学校の医師・講師や発達障害児の支援にも取り組んでいる。2018年より現職。

メッセージ

てんかんは決して珍しい病気ではありません。ぜひ、てんかんの特徴や対応の基本、救急時の対応などについて理解を深めていただき、周囲の子どもたちが偏見をもたないようにご配慮いただけるとありがたいです。てんかん発作を起こすことは、本人にとって自信をなくすきっかけになります。万一、発作が起こっても、「大丈夫」というサインを送っていただくことは、本人にとって大きな励みになります。てんかんの治療は長期間の取り組みが必要です。発作時への対応は重要な取り組みですが、一方、過剰な配慮は、自己不全感をもたらすきっかけになります。特に思春期を迎える子どもにとっては、仲間が自分をどう見ていると認識するかは、本人にとって大きな課題になります。必要な配慮を行いながら、本人が充実した生活に前向きに取り組めるようにすることが、その子の心を育てる大切なエネルギーになります。

好きなことば

  • 「つながり」

患者さんとのつながりのなかで、多くのことを学ばせていただきました。てんかんの診断がついて、少し自信を失いかけた思春期の子どもが、てんかんについてしっかり説明していくと、生活や行動が素晴らしく前向きに変わっていく姿を経験します。すべての子どもにとって、困難を乗り越えて前向きに進むエネルギーは、周囲の者が「見ているよ」というサインをしっかり送ることで産み出されると思います。